箔座の縁付金箔 ティファニー 銀座 2 階天井へ
お知らせ
箔座の縁付金箔 “純金プラチナ箔(久遠色)”施工を事例公開
伝統工芸保存と技術継承を支える“金沢縁付金箔職人育成プログラム”の理念が結実
当社は、金沢金箔伝統技術保存会と協力し、2025 年 7 月 11 日に開業した「ティファニー 銀座」(東京都中央区銀座 6 丁目)の 2 階フロア天井に、当社独自開発の『縁付金箔 純金プラチナ箔(久遠色)』による金箔施工を手掛けました。
※本件は 2025 年 7 月の開業時に施工が完了し、このたびティファニー社の承認および公式画像の提供を受け、採用背景・技法の詳細を事例公開として発信いたします。
純金プラチナ箔(久遠色)は、金とプラチナという異なる貴金属を融合させた世界初の合金製箔であり、箔座が独自に開発したオリジナルの金箔です。その色合いは、シャンパンゴールドを思わせる上品で柔らかな輝きが特徴です。伝統技法「縁付」によって製造され、従来の金箔では表現できなかった深みと輝きを実現しました。本プロジェクトは、ティファニーが掲げる“日本文化への敬意”というデザインコンセプトのもと、ファサードを建築家・青木淳氏、インテリアをピーター・マリノ氏が手掛けています。2 階の天井には、箔押し職人が 1 枚 1 枚丁寧に貼り上げた約 2,500 枚の縁付金箔が使用されています。また、今回は伝統的な「平押し加工」ではなく、あえて “ランダムに貼る” という新技法に挑戦。光の反射が複雑に変化し、繊細で有機的な空間表現を可能にしました。


この取り組みの背景には、ティファニーとワールド・モニュメント財団(WMF)が 2022 年に発足させた「金沢縁付金箔製造職人育成プログラム」の存在があります。金沢市、文化庁、金沢金箔伝統技術保存会と協働し、ユネスコ無形文化遺産に登録された「縁付金箔」の次世代継承を目的に活動を続けており、今回の施工は、その成果を“かたち”にした象徴的なプロジェクトです。

ユネスコ無形文化遺産 「縁付金箔」 (えんつけきんぱく) について
縁付金箔は、手漉きの和紙「雁皮紙」に水、藁の灰汁、柿渋、卵などを用いて加工した箔打紙で打ち延ばす、400 年以上続く伝統製法です。
この職人技は 2014 年に文化庁の選定保存技術に、2020 年にはユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技」の一技術として登録されました。
箔座オリジナル・純金プラチナ箔 について
2002 年に箔座が世界で初めて成功させた金とプラチナの合金製箔「純金プラチナ箔」は、変色の原因となる物質を一切含まず、屋内外での使用にも適しています。
バリエーションとして「永遠色(とわいろ)」と「久遠色(くおんいろ)」の 2 種類があり、今回採用された「久遠色」は特に柔らかな光沢と深みが特徴です。

「箔の表情」 そのものを価値として
箔は、その薄さにより対象となる素材の質感を包み込み、人が感知できないほどの微かな光さえ逃さず捉え、影をも味方につけながら、自らの光として輝きます。
箔座では、国宝や重要文化財の存続にも貢献する日本古来の「縁付金箔(えんつけきんぱく)」の技を守り、継承し、箔を後世に残し繋ぐことを使命としています。
これからも「金箔の本質を届けていきたい」という想いのもと、伝統と革新を繋ぎながら、その価値と魅力を未来へと伝えてまいります。
また、箔座株式会社は 2026 年に創業 50 周年を迎えます。
今回のティファニー銀座プロジェクトへの参画は、当社にとって金箔の新たな可能性を切り拓く象徴的な取り組みであり、今後の事業開発やグローバル展開への大きな一歩と捉えています。
プレスリリースはこちら